桂離宮 その3 松琴亭

 

 
松琴亭手前の灯籠(2/7、7/24)火袋の窓は手前が満月、奥が三日月になっている 松琴亭の建築面積は56平方メートル。平面は中央に中庭を設けた「ロ」の字形であるが、屋根構成は複雑。北側の東西棟、入母屋造、茅葺の部分が主体となるが、茅葺屋根の一部は、主体部と棟を直交させる形で西寄りの後方にも伸びている。主体部の後方東寄りには茶室があり、ここには杮葺屋根が掛かる。さらに建物の裏手、すなわち南面には瓦葺きの片流れ屋根が掛かり、この部分には水屋や竈などの裏方の設備がある 松琴亭の前の灯籠(10/24)でキリシタン灯籠(2/7)でもある。竿石の上部のふくらみにはFILI(ラテン語で御子よ、キリストよ、の意味)と判読されるローマ字の組合せ記号が彫られている。FILIとはミサで唱えられる Gloria(栄光の賛歌)の一節の「Domine Fili unigenite, Jesu Christe」(主なる御ひとり子イエス・キリストよ)のとおりラテン語で「息子よ」呼格。

手前(3/7)と奥(2/7)がキリシタン灯籠

キリシタン灯籠が多いのは桂離宮の造営を行った八条宮智仁親王の妃であり、かつその子智忠親王の母でもある常照院は キリシタン大名である宮津藩主 京極高知の息女であったことが由来しているらしい。
左端に灯籠(9/24)が見える
母屋の東妻に見える「松琴」の扁額は 智仁親王の兄君 後陽成天皇の宸筆で拾遺集の「琴の音に峯の松風通ふらし・・」から採られた。

松琴亭の奥の上の方にある「卍字亭(まんじてい)」。」
上の灯籠(9/24)のアップ。柱、火袋、中台、足の全てが丸いのに、窓は三角や四角なのが面白い
卍字亭は茅葺宝形造りの四阿(あずまや)で 四隅に幅も深さも異なる腰掛を互い違いに設けられ、その形が卍形に似ているところからこの名があり 「四つ腰掛」とも言われ 松琴亭で茶会の際 中立の腰掛として用いられた。
招かれた者があえて正対しないよう考えられた配置は親王の客への心遣いが伺える。
この飛び石も面白い
躙り口
躙り口から茶室を見る。3畳台目で東側に躙り口、南側に床(とこ)、西側に点前座を設ける。8か所に窓を設けるところから「遠州好八窓囲」と呼ばれる。客座の天井は真菰の白糸編を張り、竹の竿縁で押さえている。

奥が炉。炉は台目切とし、炉に接して型通りに皮付で湾曲した中柱を立てる。中柱は中ほどに短い枝を1本残し、茶入袋掛けとなっている。また、壁の上方四分の一ほどは色が変わっているのは、かつて桂川の氾濫により浸水した跡と言われている。 
二の間。6畳間で違棚を設ける。隣の茶室境の襖と、違棚の壁の上部は一面に藍染の加賀奉書を張る。
写真の左の違棚壁の下部には変形(瓢箪形)の下地窓を開ける。この下地窓は壁の裏の茶室側では点前座の風炉先窓となっている。
南の正面から見た二の間。奥が茶室。

二の間への踏み石
 
踏み石の上を見上げる。これも瓢箪形
左が二の間、右が一の間
趣きのある並べ方
手前の膳組所は竹と葭で編んだ低い垣で囲んでいる
一の間前の膳組所。竈(くど)構え
竈(くど)構えの右には平面三角形の棚を設ける
竹で下に水を流せるようになっている
一の間前の屋根組み
一の間は、鉤形の変形平面の11畳敷で、東側に床、その向かって右に戸棚があり、戸棚と矩折れの位置に石炉を設け、石炉の上には袋棚を設ける。戸棚の襖には山水図が水墨で描かれ、これは狩野派の作品。
床の壁面と、二の間境の襖とは、白と藍色の方形を互い違いに配置した抽象的な文様(市松文様)で全面が覆われている。これは白と藍染の加賀奉書を張ったもので、桂離宮にみられる斬新なデザインの代表例。
桂離宮にある4つの茶亭は季節により使い分けられ、ここ松琴亭は冬用。写真の振り炬燵みたいのが暖房のための石炉。石炉の上の棚に食事を入れ温めた。
、翡翠(かわせみ)、)、

尾長鳥

鶺鴒(せきれい


住吉の松
中右の灯籠は7/24、灯籠の右からここから卍字亭に登るようになって居り、途中に灯籠(10/24)がある。また建物の裏にもある(11/24)

真ん中に住吉の松、中右下に9/24の灯籠と同じタイプの灯籠(13/24)

ちょっと位置を変えただけで景色が変わる。左の建物が古書院でその右の黒い建物が月波楼
中から右は天の橋立。右は蹲(2/7)、松琴亭の手水は本来、上の写真の石橋のたもとで取ることになっている。
上の写真を撮った位置から少し下がって撮るとこんな感じ。手前の路が池で切れており、対岸も同様になっている。以前は朱塗の欄干を持つ長橋が架かっていた。
灯籠(13/24)のアップ

松琴亭船着場のキリシタン灯籠(3/7、12/24)
松琴亭前の船着き場
全体図でおさらい。左端上が卍字亭でその右下が松琴亭。松琴亭の下が天の橋立。また右下が中島でその下の建物が月波楼、その右の建物群が左から古書院、中書院、楽器の間、新書院