サクラダ・ファミリア 受難のファサード

 

西側の受難の門

彫刻は①から⑭とイエスの捕縛から昇天までのストーリーを展開
①「最後の晩餐」、 右がキリストで12人の使徒


下の方から。写真の色合いが違うのは建物の中に入ったのちの撮影のため

ユダ
「マタイによる福音書」ではユダは金目当てで祭司長たちにイエスの引き渡しを持ちかけ、報酬として30シェケルを貰う約束をとりつけている。また「ヨハネによる福音書」では使徒たちの会計を任されながら、不正を行っていたと記されている。
複数の福音書の最後の晩餐の場面ではイエスに裏切りを予告され、「マルコによる福音書」では「生まれなかった方が、その者のためによかった。」とまでイエスに言われている。  

ユダの足元の犬はユダの飼い犬で、 貪欲ないし邪悪を表象
ファサードの柱の根元
②「イエスの捕縛」
3人の兵士が並んでいる
③「ユダの裏切り(魔方陣とユダの接吻)」
 ユダは祭司長たちと群衆をイエスのもとに案内し、接吻することで
 イエスを示して引き渡した。
背後の石板にある16の数字は、縦・横・斜めなど310通りある足し算の合計が常に、キリストが亡くなった年齢である33になる
 
④「むち打ち」、⑤「ペテロの否認」 
④「むち打ち」
正面から

下から
縛られた柱の根元
⑤「ペテロの否認」
キリストが連行をされる前、ペテロにこう告げていた。「あなたは私を知らないと3度否認した後に鶏が鳴く」尋問を受けるキリストの姿を覗き見ていた十二使徒ペトロは、女性から「あなたは弟子である」旨を告げられ「知らない」と3度否認をする。鶏が鳴き、泣き崩れるペテロ。左側には鶏の姿がある。
⑥「この人を見よ」
 エルサレムの市民にローマ総督ピラトがキリストを見せる場面
 兵士はガウディの「カサミラ」の煙突部のデザインをモチーフにしている
 
⑦ピラトの判決
総督ピラトが死刑の判決を下す場面。
⑧「キリストの失墜」
ここから中段になる。
「イエスと3人のマリア」 聖母マリア、クレオファス、マグダラのマリアが倒れているイエスの傍で泣いている。十字架を担ぎ上げようとしているのはシモン。

⑨「聖顔布を手にする聖ヴェロニカ(ベロニカとガウディ)」
 右側には、十字架を背負いゴルゴダの丘へ向かうキリスト。 中央にはイェルサレムの聖人ヴェロニカ。ヴェロニカは伝説的な人物であり、浮かび上がるキリストの顔との比較対象になってしまうため、あえて顔には何も彫られていない。 後方の左側にいる人物は、アントニ ガウディ。
キリストを憐れんだ彼女は、身に纏うヴェールをキリストに差し出す。額をヴェールで拭った後、ヴェールにキリストの顔が浮かび上がる
⑩「聖ロンギヌスの馬」
ローマ帝国のケントゥリオ、聖ロンギヌス。磔のキリストの脇腹に槍を刺したが、のちにキリスト教に改宗
 ⑪「キリストの服を賭けて遊ぶ兵士たち」
 磔になったキリストの服を賭けてサイコロでの遊びに興じているローマ兵士たち
下から見ると感じが変わる

⑩「聖ロンギヌスの馬」と⑪「キリストの服を賭けて遊ぶ兵士たち」
⑫「キリストの磔刑(十字架にかけられているイエス)」
 足元の骸骨は死を意味。右後ろは満月。 
保守派からはキリストが裸で腰巻がない状態であるのはおかしいと度々批判が上がっている。

⑬「十字架降架」
  磔刑により亡くなったキリストを十字架から降ろす場面。右側のキリストの足を摑んでいる人物は彫刻家のスビラックス。
JESUS・NAZARE(ナザレのイエス)
福音書と使徒言行録でイエスが「ナザレのイエス」と呼ばれていることによる。イエスという名は当時めずらしくなく、姓の風習もなかったため、しばしば出身地を含めた呼び方で区別されていた。
奥の人物は右がヤコブで、左がバルトロマイで塔の名前にもなっている。
塔にSactus(ラテン語「聖なる」)の字が並ぶ。
カトリックの賛美歌の中では三位一体を最も聖なるものと崇め「聖人」という言葉が3回、"Sanctus Sanctus Sanctus..." と繰り返されている。
ガウディは不可知論者(人間は神の存在を証明することも反証することもできないと唱える人)でも宗教に無関心な人でも、上を向いて空を見上げて、碑文を読もう、祈りを捧げようとすべきだ。と思い、Sanctus を塔の上に並べた。また、左の下の方に使徒ヤコブ、右の下の方に使徒バルトロマイの彫刻がある
⑭キリストの昇天
 
左下のカバーには2018年7月2日に大きな十字架(高さ7.5m、横4.25m、重さ18トン)がつけられた。
右下の使徒は左がトマス、右がフェリペ
IUDAEORM(コイネギリシャ語)「ユダヤの王」
 新約聖書でイエスは人生の始めと最後の両方でこう呼ばれている
右の彫刻の右には使徒の意の「APOSTOLUS」(使徒)。左は各々の名前になっている
尖塔の文字は正面がExcelsis Deo (Gloria in excelsis Deo「天のいと高きところには神に光栄あれ」の略)、右がHOSANNA(「自由にしてくれ」)
 
尖塔の先は司教冠、その下は司教杖、丸い穴は司教指輪を示す
製作中の聖具室

学校。1909年、ガウディはサグラダ・ファミリアの学校をデザイン。教会を建設している労働者の子供を対象としたが、低所得の近所の子供たちも学校に通っていた。 建物には3つの教室、ホール、チャペルがあるた。
     

 

 
受難のファサード側の入口。この「福音の扉」には、キリストの生涯最後の2日間についての出来事が新約聖書より8,000文字が抜粋され、特に重要な部分については金色の文字で書かれている

ここにも33の魔方陣がある






   

 

栄光のファサード

聖堂で最も重要な正面入口は、更に壮大となるこの栄光のファサード。ガウディは亡くなる10年前に、建設プロジェクトを引き継ぐ人々に資料を残すことを目的に、

栄光のファサードやそこに配置する象徴表現について綿密な研究を行い、多くの模型を残した。しかし、1936年の内戦により、それらは破壊された。

ガウディや協力者が撮った写真、彼が残したメモを手掛かりに建設が再開、2000年に基礎工事が開始され、約3000個の模型の破片の修復作業は今も尚、並行して行われている。

このファサードには7つもの扉が配され、2012年に最初の扉(中央扉)の設置が完了した。この扉には「主の祈り」の文句が世界50か国の言葉で刻まれている。

ファサードは死・審判・地獄と栄光を表現し、生誕と受難の門より高く造られる


左の写真のアップ。塔が鉄筋コンクリートで作られているのが分かる